「今夜は……このアメジストにしようか」
煌はそう言って、色とりどりの宝石が詰まった箱の中から大粒のアメジストを選び出し、透明なフルートグラスの中に落とした。
注がれていたシャンパンの中で美しい紫色の光が煌めいて、細かな泡が弾ける。
「……さぁ、口を開けるんだ、拓人」
俺を抱き寄せながら、煌が低く耳元で囁いた。
「煌……」
俺はもう完全に彼に抗えなくなっていた。
温室でのあの彼の表情を見てしまってから、もう煌のどんな残酷な言葉すら優しく聴こえるようになっていた。
「…っん、っぅ……」
煌の舌が俺の唇をゆっくりとなぞり、そのキスに応えるように俺の唇は開いてしまう。
シャンパンとアメジストが口の中に流し込まれる。
入り込んだ柔らかな舌が俺のそれに絡むと、硬質な石でしかなかったアメジストがキャンディのように溶けて、口の中に果物のような酸味が広がった。
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